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「図解付き」濃茶平点前の手順を徹底解説【裏千家/風炉】

こんな方におすすめの記事
  • 濃茶点前の手順がよく分からない方
  • お点前全体の流れが分からない方
  • 何度やっても濃茶平点前が覚えられない方

薄茶点前を教わり、濃茶点前を教わったという方で

ひよ

薄茶のお点前とごちゃごちゃになってます・・

という方も多いのではないでしょうか?

濃茶平点前は濃茶を点てるための基本的なお点前です。しかし薄茶平点前と混ざってしまい、いつまで経っても覚えられないという方のために。濃茶平点前の図解を交えてお教えします。

教わりたてで何がなんだか分からないままになっているという方も、しっかり復習できる内容になっていますのでぜひ読んでくださいね。

※こちらのページでは風炉(5月~10月)のお点前を解説しています。

目次

濃茶平点前とは

まず濃茶は薄茶よりも格式が高い。ということを頭にいれておきましょう。薄茶よりも厳粛な雰囲気でお点前が進んでいきます。お茶の入っているお茶入は仕覆と呼ばれる袋に入っていたり、お服加減(お味はどうですか?)ということを尋ねたりとお点前の中でも厳粛さを感じられる箇所がいくつかあります。

濃茶平点前では棚を使わず、お点前の中で道具を運び出します。

お茶を点てるために道具を運び出して清める。美味しいお茶を点てて飲んでいただいたら全て片付けて元の状態に戻す。という流れは薄茶と全く同じ。

しかし、事前に用意するお道具などが微妙に違ってくるので混乱の要因になってしまうんですよね・・。まずはこの記事でお点前の内容を確認してみましょう。

お点前を始める前の準備

お点前に使うお道具やお茶室の準備をしましょう。

つる

薄茶とはここが違うなと思い出しながら読み進むと頭に入りやすいですよ

茶室

点前座には風炉と水指、茶入が荘(かざ)ってあります。

水屋での準備

水屋に用意しておくお道具はこちら

水屋に用意するお道具

  • 茶碗(茶杓・茶筅・茶巾を仕組んでおく)
  • 建水(竹の蓋置を仕組み、柄杓を伏せて乗せる)
  • (お菓子

ここで帛紗は腰に着けておきます。

お菓子を出す

水屋の準備が済んだらお客へお菓子を出します。

お菓子を出したらひと膝右へ向いてから立ち上がり水屋へ戻る
茶道口で「お菓子をどうぞ」と挨拶し、襖を閉める。

つる

ここまででも薄茶と違う点がいくつかありますね。分かりましたか?

茶を点てる準備

ではお点前が始まります。まずはお道具を運び、清めます。

道具を運び出す

茶碗を運ぶ

茶碗を膝前に置き、ふすまを開ける

左掌に茶碗をのせて右手を添えて持ち、点前座まで進む

右手で茶碗の右横を持ち、左手で左手前を取り、勝手付きに仮置きする

右手で茶入を水指の前右寄りへずらす

左手で仮置きした茶碗を取り、茶入と置き合わせる

水屋へさがる

建水を運ぶ

左手で建水を持って入り、茶道口へ回って座る。建水を膝前に置きふすまを閉める

左手で建水を持って立つ。定座へ進んで建水を手なりに置く

右手で蓋置を取り、柄杓の内側を通して勝手付の畳縁と敷板の中間へ置く

柄杓を蓋置に引く

左手で柄杓を取り、柄杓を構える(鏡柄杓)

柄杓を右手で持ち直し、軽く音をさせるように蓋置に引く

主客総礼する

居住まいをを正す

左手で建水を膝前の線まで進め

着物の崩れや座る位置を整える

道具を清める

茶入を清める(仕覆を脱がせる)

茶碗を右手前、左横、右横の3手で膝前の少し向こうに置く

茶入を右手で取り、茶碗と膝の間に置く

仕覆の紐をほどき、茶入を仕覆から出す

仕覆の形を整えて右手で仕覆の右横を持って打ち返す(火の方に打ち返すと覚える)

右手で敷板と水指の間へ置く

茶入を清める

帛紗を四方捌きにさばいて茶入を左手で取る

茶入の蓋を向こう、手前と「二」を書くように清める

帛紗を茶入の胴にあてて胴拭きをする

茶入を水指の前左寄りに置く

茶杓を清める

帛紗を草にさばき直して茶杓を清める(3回)

茶入の蓋(つまみの左側)に置く

茶筅通し

右手で茶筅を取り、茶入の右横に置く

帛紗で水指の蓋を「二」を書くように清め、帛紗を左手へわたす

右手で茶碗を少し手前へ引き、茶巾を水指の蓋の上に置く

左手の人差し指と中指に帛紗を挟み、柄杓を取って構える(鏡柄杓)

帛紗で釜の蓋を開け、蓋置に置く(帛紗は建水の後ろに仮置き)

柄杓を右手に持ち替え、湯を汲んで全て茶碗へ入れる

柄杓を釜へ預ける

2度上げ、3度打ちで茶筅通しをし、茶筅を元の位置へ戻す

右手で茶碗を取り、左手へ持ち替えて湯を捨てる

茶碗を清める

右手で水指の蓋の上から茶巾を取って茶碗へ入れ、3回半回して清める

茶巾を持ち替えて「い」「り」を書くように茶碗の底を清める

茶碗を元の位置へ置き、茶巾を釜の蓋の上へ置く

茶を点てて出す

茶碗へ茶を入れる

茶杓を取り、正客へ菓子を勧める

左手で茶入を取り、茶杓をにぎり込んで蓋を開け茶碗の右横へ置く

茶を三杓ほどすくって茶碗に入れ、茶杓を茶碗の右横へ預ける

茶入を手前へ回しながら中の茶を全て茶碗へ入れる(回し出し)

茶入の蓋をしめて茶入を元の位置へ戻す

茶杓を取り、茶碗のふちで茶杓を軽く打つ

茶杓を茶入の蓋の上へ戻す

右手で水指の蓋のつまみを取り、左手で左横を取り水指の左横に立てかける

右手で柄杓を上から取り、水指から釜へ水をさす

茶を点てて出す

釜の湯を汲んで茶碗へ入れる

残りの湯を釜へ戻して切り柄杓で柄杓を釜へ預ける

茶筅で茶と湯をよく練り合わせる

茶筅を茶碗の左縁にあずけ、再び湯を汲む

左手で茶筅を持ち上げ、穂先にかかるようにして湯を入れる(茶筅を手前に回しながらかける)

残りの湯は釜へ戻し、置き柄杓で柄杓を釜へ預ける

茶をよく練り「の」の字を書くようにして茶筅を持ち上げ、茶筅を元の位置へ戻す

右手で茶碗を取り、左掌へのせて茶碗を時計回りに2度回して正面が客側を向くように茶碗を出す

お客の動き

正客は茶碗を取りに出て縁内に取り込む。茶碗を左膝横に置いたら連客は総礼をする

問答

正客が茶を一口飲んだら「お服加減いかがでしょうか?」と尋ねる

客付きへ回り「お茶銘、お詰、お菓子、ご製」などについての問いに答える

末客が吸い切りをしたら居前へ戻る

柄杓を取り、水指から釜へ水を一勺さし、引き柄杓で釜へ預ける

右手で帛紗を取り、腰へつけて茶碗が返るのを待つ

道具を片付ける

使った道具を片付ける

茶碗をすすぐ

客より茶碗が戻ると右手で取り、左手であしらい右手で膝前へ置く

主客総礼をする

湯を汲んで茶碗へ入れ、柄杓を釜に預ける(置き柄杓)

湯を建水にあける

「お仕舞いにさせていただきます」と亭主の方から挨拶をする

茶筅すすぎ

柄杓を取り 水指から水を汲んで茶碗へ入れる

柄杓を引き柄杓で釜に預ける

茶筅通し(一度上げ二度打ち)をして茶筅を元の位置に戻す

茶碗を片付ける

茶碗の水を建水にあけ、そのまま茶巾に手が伸びて茶碗に茶巾を戻す

茶碗を膝前に置き、茶筅を茶碗に戻す

茶杓を清める

右手で茶杓を取り、左手で建水を引く

帛紗を取ってさばき茶杓を清める(2回)

茶碗に伏せて置く

帛紗をにぎり込んだまま右手で茶碗を少し左へ寄せ、茶入を茶碗の右横へ置き合わせる(中仕舞い)

帛紗を建水の上で2度軽くはらい 腰へ付ける

釜の蓋、水指の蓋を閉める

柄杓を上から取って水指から水を汲み、釜へ一杓さす

柄杓を構えて釜の蓋を閉め、柄杓を蓋置に引く

右手→左手→右手の三手(開けた時と逆の動作)で水指の蓋を閉める

正客から「お茶入・お茶杓・お仕覆の拝見をお願い致します」と所望があればこれを受ける

拝見

拝見物を出す

柄杓を建水にたたむ

蓋置を右手で取り、左手で横から持ち建水の後ろに置く

茶碗の右横を持ち、一手で勝手付へ置く(割り付ける)

茶入を清めて出す

茶入を右手で取り、左掌に乗せ客付に回る

茶入を膝前に置き、帛紗を草にさばいて再び茶入を取る

胴拭きをし、拭きぬいて帛紗を一旦膝前へ置く

茶入の蓋を開け、蓋を帛紗の向こうへ置く

帛紗を取って折り返し、茶入の口を向こう・手前と清める

帛紗を膝前に置き、茶入の蓋を閉める

茶入を右回りに2回回して正面を向け、右手で縁外に出す

帛紗を腰につける

茶杓を出す

点前座正面へ回り、右手茶杓を取り左手に持ち替え

客付へ回り右手で逆手に取り棗の右横に出す

仕覆を出す

居前へ戻り、右手で仕覆をとり左掌へ乗せる

客付きへ回って茶杓の下座へ出す

道具を下げる

建水を下げる

点前座正面へ回り、左手で柄杓を取り、横になるように右手で持つ

左手で蓋置を取り右手の親指・人差し指・中指へ持たせる

ひと膝勝手付へ向き、左手で建水を持ち

左膝から立ち、建水回りで茶道口の方へ戻る

茶道口へ座り、建水などを膝前へ置いて襖を開ける

水屋へ下がる

茶碗を下げる

点前座へ戻り、右手で茶碗を取り左掌へ乗せて水屋へ下げる

水指を下げる

点前座へ戻り、両手で水指を持ち水屋へ下げる

問答

入室

道具を下げ終わったら茶道口へ座り、拝見が終わるのを待つ

拝見が終わったのを確認したら入室。道具正面を向いて座り一礼

問答

「お茶入のお形は?」「お窯元は?」「お茶杓のお作は?」「御銘は?」「お仕覆のお裂地は?」といった問答に答える

退室

右手で仕覆を取り、左掌へのせる

右手で茶杓を取り、仕覆の上へのせる

右手で茶入を取る

茶道口に座り 茶入、茶杓、仕覆を建付け側へ置く

一礼をして襖を閉める

まとめ

濃茶平点前の手順をご紹介しました。実は「お茶と言えば濃茶のことをさす」と言われるくらい茶道では濃茶が重視されます。薄茶とは細かく違う点もありますが、全体の流れは同じです。違う点を整理しながら落ち着いてお点前してみてくださいね。

薄茶平点前はこちらから

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