3月になると釣釜(つりがま)という設えが出てきます。いつもは炉の中にある五徳の上に釜を乗せますが、釣釜では鎖や自在と呼ばれる道具で天井から釜を吊り下げます。
天井から吊り下げているので釜へ柄杓をかけたりする際、釜がゆらゆらと揺れるのが特徴です。
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釜が揺れることで春を感じる
3月というと暖かい日も増え、春の気配を感じることも多くなります。この釣釜も春を感じる設えです。
春に東から吹く風、東風(こち)。東風が吹く季節に釣釜をかけると、釜が風でゆらゆらと揺れる様子を見られることがあります。そこから春が近づいてきていることを感じます。
まだ残っている寒さへ
釣釜は五徳の上へ釜を乗せないので、普段は見えない炭の火が見えるのも大きな特徴です。
まだ寒い日もある頃。炉の中に見える炭の様子に温かさを感じます。